2011年 10月 18日
かの、大手術を乗り越えて無事生還! |
ものすごい心配事が、たった今解決した! あまりの喜びに思わずツイート! 神様ありがとう!(由)
というツイートをしたのが10月11日の18時12分37秒。我ながら魂の叫びでした。実はうちの黒犬かの子、重い病気が発覚し10月5日から東大病院に入院していたんです。11日に6時間の大手術を受け、それが無事終了したとの報告が入ったとき思わずツイートしたという。
かのは今日やっと退院出来ました。まだお腹にチューブが入っていて包帯ぐるぐる巻き、抜糸は一週間先だけど、超元気です。
始まりは9月後半のささいな吐き戻し。そのときはこんな大騒動になるとは全く思っていませんでした。かのは全然元気だったし。かかりつけ医では原因不明で、動物の救急病院で診ていただいたのが10月2日。その日からは怒濤の展開です。あまりの不安感で、この私が毎日長い闘病日記を書いていたほどに。
同じ病気に悩んでいる犬(もしくは他の動物)と暮らす方たちの参考になるかもと、日記全文をブログにアップしようと思ったのですが、やめました。だって日記前半たるや感情が入りすぎてど真っ暗。超長いし。なので、シンプルな報告日記を改めて書きました。これでも参考資料にはなるかと。是非読んでやってくださいませ。
【黒犬かの子の闘病日記、シンプル版】
[9月後半]
急に朝食べた食事を夕方戻すようになる。かかりつけ医は夏バテの延長ではないかと。点滴でその日は復活。しかし翌日も、その次の日も、吐き戻しが止まらない。元気なのだが栄養不足から急激に痩せて心配に。
胃薬を飲ませても改善せず、レントゲンを撮っても原因不明。結局大学病院で診てもらうことに。予約は10月13日だった。
[10月2日(日)〜4日(火)]
しかし、相変わらず吐き戻すかの。動物の救急病院で有名な三鷹獣医科グループへ。24時間やっていて、獣医師は沢山、診察機器も充実。詳細検査を受けさせたところ、かのの病状はとんでもなかった。
胃と副腎にかなり大きな腫瘍。悪性で他にも転移していた場合、余命2ヶ月で手術も出来ないとのこと。こちらがショック死するかと思った。
でも確定ではない。大学病院なら手術してもらえるかもと言われる。三鷹さんで改めて予約を取ってもらった先は東大病院。転院は5日。
食べられないかのは点滴が命綱なので、転院前日まで三鷹さんに入院。4日夜に引き取りに行き、その夜は自宅で2人と2匹ゆっくり過ごす。最悪の事態を想像すると泣けてくるので、何も考えないようにするのが大変だった。
[10月5日(水)〜10日(月)]
東大病院動物医療センターは人間の病院のように立派で、広い待合室には見るからに重病な動物たちがいっぱい。先生方は皆さん優しくて感じがいい。
東大ではレントゲンと超音波の他に、全身麻酔が必要なCTと胃カメラの検査も受けさせた。内科の先生に「年齢も若くはないですし、病気も重い。全身麻酔で死ぬ場合もあります。どうしますか」と言われたが、我々夫婦に迷いはなかった。だって調べないと手術が受けられなくて死んじゃうんだから。 ▲東大病院の待合室にて。
かのは元々が頑丈らしく、全身麻酔もなんなく乗り越えてくれた。しかし検査結果は更に酷いもの。胃の腫瘍は大きい上に出来た位置が悪く、食べ物を腸に流す穴をせきとめてしまっているそう。問題は副腎の腫瘍。「数年に1匹」しか発症しない珍しい腫瘍で、手術も大変難しいと。
ところがここで光が。「胃の腫瘍に関しては良性だと思います。経験上、ここまで大きいものは良性のことが多いんですよ」と先生。本当に? 良性なら切ってもらえるんですよね? 副腎は気になるが、とにかく私たちはかのにもう一度口からごはんを食べさせてあげたかった。この際、胃だけでも何とかなれば。
外科の先生の見解も「胃はいけそう。副腎は相当難しい」だった。「肥大した副腎が太い血管に食い込んでいるので、大出血を起こして死ぬこともある」と言われる。しかし我々の決意は固い。同意書にサインをし、手術をしていただくことに。
この期間は偶然にもイベントが多く、お見舞いに行っては夜にお出かけというパターンだった。予定をキャンセルしたとして、かのに会えるのはわずかな面会時間だけ。家でやきもきしているくらいなら、出かけるほうが気が紛れてずっといい。
かののことは誰にも話していなかった。先が見えない状態で友人たちに心配をかけたくなかったから。ただ、この期間我が家にお泊まりした作家の麻耶雄嵩さんには黙っているわけにいかず、話した。そしたらお見舞いに付いて来てくれたのだ。すごく嬉しかった。
友人作家さんたちが集まるパーティーにて、数名にさわりだけ話したりも。聞いてもらうのってセラピーになるんだなと思った。
[10月11日(火)]
手術当日。始まりは昼の12時だったのに、終わりが夕方6時だなんて。先生方もここまでの大手術になるとは予想していなかったようだ。かのの腫瘍の頑固さよ。
結果は成功。絶望のどん底から浮上出来た。この日は会えないので、喜国さんと2人で祝杯をあげる。
[10月12日(水)〜18日(火)]
ドキドキでお見舞いに。私たちが入院部屋まで行くのかな……と考えていたら、昨日の今日なのに元気よく歩いて待合室にやってくる、かの。お腹からチューブ3つも出てて、包帯ぐるぐる巻きなのに大丈夫なの〜?
「かのちゃんは本当に元気ですね。頭もすごくいいし」と担当の研修医さん。頭のよさについては他の先生方にも言われた。私が言うのも何だが、かのは本当に賢いのだ。だから人間ぽくて、ふびんになる。入院してから目がずっと「かのを今日も置いて行くの?」と訴えてるのがたまらない。 ▲病院のベランダで喜国さんに甘える、かの。
犬は術後3日目がヤマと知り焦ったが、それも乗り越えた。お見舞いに通い、今日は点滴が外れた、今日は水を飲んだ、今日はごはんを食べたなどと喜んでいるうち退院の日。チューブは1本だけになった。それも一週間後の抜糸のときに外してもらえる。病理検査の結果はまだ出ていないが、危険な状態は完全に脱した。
ものすごくお金がかかったけれど、命の値段と考えれば安い。気になる料金については後日の日記で(注:私がいつまでたっても続きを書かないので、喜国さんが書いてくれました。こちら)。シンプル版と言いつつ、長くなっちゃった。とにかく今は本当に幸せです。喜国さんにとっては1日遅れのバースデイプレゼントとなりました。東大に足を向けて寝られません。未来永劫! ▲お家でくつろぐ、かの。包帯外し防止に服を着せてます。ちなみにくりとの再会はあっさりしてたな〜(笑)。
というツイートをしたのが10月11日の18時12分37秒。我ながら魂の叫びでした。実はうちの黒犬かの子、重い病気が発覚し10月5日から東大病院に入院していたんです。11日に6時間の大手術を受け、それが無事終了したとの報告が入ったとき思わずツイートしたという。
かのは今日やっと退院出来ました。まだお腹にチューブが入っていて包帯ぐるぐる巻き、抜糸は一週間先だけど、超元気です。
始まりは9月後半のささいな吐き戻し。そのときはこんな大騒動になるとは全く思っていませんでした。かのは全然元気だったし。かかりつけ医では原因不明で、動物の救急病院で診ていただいたのが10月2日。その日からは怒濤の展開です。あまりの不安感で、この私が毎日長い闘病日記を書いていたほどに。
同じ病気に悩んでいる犬(もしくは他の動物)と暮らす方たちの参考になるかもと、日記全文をブログにアップしようと思ったのですが、やめました。だって日記前半たるや感情が入りすぎてど真っ暗。超長いし。なので、シンプルな報告日記を改めて書きました。これでも参考資料にはなるかと。是非読んでやってくださいませ。
【黒犬かの子の闘病日記、シンプル版】
[9月後半]
急に朝食べた食事を夕方戻すようになる。かかりつけ医は夏バテの延長ではないかと。点滴でその日は復活。しかし翌日も、その次の日も、吐き戻しが止まらない。元気なのだが栄養不足から急激に痩せて心配に。
胃薬を飲ませても改善せず、レントゲンを撮っても原因不明。結局大学病院で診てもらうことに。予約は10月13日だった。
[10月2日(日)〜4日(火)]
しかし、相変わらず吐き戻すかの。動物の救急病院で有名な三鷹獣医科グループへ。24時間やっていて、獣医師は沢山、診察機器も充実。詳細検査を受けさせたところ、かのの病状はとんでもなかった。
胃と副腎にかなり大きな腫瘍。悪性で他にも転移していた場合、余命2ヶ月で手術も出来ないとのこと。こちらがショック死するかと思った。
でも確定ではない。大学病院なら手術してもらえるかもと言われる。三鷹さんで改めて予約を取ってもらった先は東大病院。転院は5日。
食べられないかのは点滴が命綱なので、転院前日まで三鷹さんに入院。4日夜に引き取りに行き、その夜は自宅で2人と2匹ゆっくり過ごす。最悪の事態を想像すると泣けてくるので、何も考えないようにするのが大変だった。
[10月5日(水)〜10日(月)]
東大病院動物医療センターは人間の病院のように立派で、広い待合室には見るからに重病な動物たちがいっぱい。先生方は皆さん優しくて感じがいい。
東大ではレントゲンと超音波の他に、全身麻酔が必要なCTと胃カメラの検査も受けさせた。内科の先生に「年齢も若くはないですし、病気も重い。全身麻酔で死ぬ場合もあります。どうしますか」と言われたが、我々夫婦に迷いはなかった。だって調べないと手術が受けられなくて死んじゃうんだから。
かのは元々が頑丈らしく、全身麻酔もなんなく乗り越えてくれた。しかし検査結果は更に酷いもの。胃の腫瘍は大きい上に出来た位置が悪く、食べ物を腸に流す穴をせきとめてしまっているそう。問題は副腎の腫瘍。「数年に1匹」しか発症しない珍しい腫瘍で、手術も大変難しいと。
ところがここで光が。「胃の腫瘍に関しては良性だと思います。経験上、ここまで大きいものは良性のことが多いんですよ」と先生。本当に? 良性なら切ってもらえるんですよね? 副腎は気になるが、とにかく私たちはかのにもう一度口からごはんを食べさせてあげたかった。この際、胃だけでも何とかなれば。
外科の先生の見解も「胃はいけそう。副腎は相当難しい」だった。「肥大した副腎が太い血管に食い込んでいるので、大出血を起こして死ぬこともある」と言われる。しかし我々の決意は固い。同意書にサインをし、手術をしていただくことに。
この期間は偶然にもイベントが多く、お見舞いに行っては夜にお出かけというパターンだった。予定をキャンセルしたとして、かのに会えるのはわずかな面会時間だけ。家でやきもきしているくらいなら、出かけるほうが気が紛れてずっといい。
かののことは誰にも話していなかった。先が見えない状態で友人たちに心配をかけたくなかったから。ただ、この期間我が家にお泊まりした作家の麻耶雄嵩さんには黙っているわけにいかず、話した。そしたらお見舞いに付いて来てくれたのだ。すごく嬉しかった。
友人作家さんたちが集まるパーティーにて、数名にさわりだけ話したりも。聞いてもらうのってセラピーになるんだなと思った。
[10月11日(火)]
手術当日。始まりは昼の12時だったのに、終わりが夕方6時だなんて。先生方もここまでの大手術になるとは予想していなかったようだ。かのの腫瘍の頑固さよ。
結果は成功。絶望のどん底から浮上出来た。この日は会えないので、喜国さんと2人で祝杯をあげる。
[10月12日(水)〜18日(火)]
ドキドキでお見舞いに。私たちが入院部屋まで行くのかな……と考えていたら、昨日の今日なのに元気よく歩いて待合室にやってくる、かの。お腹からチューブ3つも出てて、包帯ぐるぐる巻きなのに大丈夫なの〜?
「かのちゃんは本当に元気ですね。頭もすごくいいし」と担当の研修医さん。頭のよさについては他の先生方にも言われた。私が言うのも何だが、かのは本当に賢いのだ。だから人間ぽくて、ふびんになる。入院してから目がずっと「かのを今日も置いて行くの?」と訴えてるのがたまらない。
犬は術後3日目がヤマと知り焦ったが、それも乗り越えた。お見舞いに通い、今日は点滴が外れた、今日は水を飲んだ、今日はごはんを食べたなどと喜んでいるうち退院の日。チューブは1本だけになった。それも一週間後の抜糸のときに外してもらえる。病理検査の結果はまだ出ていないが、危険な状態は完全に脱した。
ものすごくお金がかかったけれど、命の値段と考えれば安い。気になる料金については後日の日記で(注:私がいつまでたっても続きを書かないので、喜国さんが書いてくれました。こちら)。シンプル版と言いつつ、長くなっちゃった。とにかく今は本当に幸せです。喜国さんにとっては1日遅れのバースデイプレゼントとなりました。東大に足を向けて寝られません。未来永劫!
by yuka_kuniki
| 2011-10-18 23:58
| 犬